エネ庁がFIT改革の方向性を提示

お知らせ

資源エネルギー庁は4月1日、総合資源エネルギー調査会・基本政策分科会の「再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会」を開き、平成29年度から予定されている再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の見直し状況と方向性を明らかにするとともに、関係資料を公表しました。
関連資料はこちらから。

FIT制度の見直しは、政府が今年2月に閣議決定し今通常国会に提出した、た再生可能エネルギー特別措置法改正案の成立を前提としています。改正案は骨子から成り立っていますが、このうち小水力関連が深いのは「認定時期の見直し」のほか、「買取価格決定の複数年化」、「送配電買取への移行」などの部分です。

このうち「認定時期の見直し」では、設備認定が原則として「連系契約締結後」に変更されます。この見直しは、現状では設備認定が連系契約に事実上先行し、権利転売目的の設備認定が増加したことへの反省から、送配電事業者と連系契約を結んでから設備認定を行うことで事業の確実性を高め、設備認定の売買を抑制することを目指しています。

ただ、本県内の大半の地域に代表される、系統の増強費用負担を発電事業者の入札によって決める「電源接続案件募集プロセス」が行われるエリアでは、送配電事業者との連系契約の時期が大幅に後倒しされる結果、設備認定の時期が遅くなるという問題を抱えています。この問題については、小水力をはじめとする再生可能エネルギー普及の観点からは大きな障害となるため、弊協議会をはじめとする関連団体が結束し、送配電事業者や広域機関に改善を求めることが必要です。

また、「価格決定の複数年化」では、これまで「調達価格等算定委員会」が年度ごとに再生エネ電気の購入(調達)単価を決めていた方式から、電源ごとに複数年分を一括して決定する方式に変更されます。例えば、今年度に開かれる算定委員会で「小水力は向こう3か年の価格を決定」という結論が出された場合、平成31年度までに設備認定を取得すれば、その時点での買取価格が適用され、発電所の運転開始後20年間は価格下落のリスクを考慮する必要がなくなります。

一方、「送配電買取への移行」については、現在は小売り事業者に課せられているFIT由来電気の買取義務が、平成29年度からは一般送配電事業者に移されます。なお、送配電買取に移行した後も、電気の地産地消を進める観点から、発電事業者と小売事業者の契約に基づき、送配電事業者が特定の発電所からFITで購入した電気を小売り事業者に供給する仕組みも導入されます。ただ、制度改正以降はすでに決定している新たな電源開示ルールや回避可能原価の新算定方式との兼ね合いもあり、今までのような“PPSプレミア”に頼った事業運営がさらに難しくなりますので、この点についても十分な理解が必要です。

栃木県小水力利用推進協議会では、一連の電力自由化やFITの制度改正に対応したセミナーを、今年度の早い段階に計画しています。また、FITの新たな枠組みなどでご不明な点等ありましたら、事務局までメールでお尋ねください。

 

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